事業部制組織 【divisional organization】

概要

事業部制組織(divisional organization)とは、企業などの組織形態の一つで、事業や製品分野ごとに組織を編成したもの。事業ごとの各組織(事業部)のそれぞれに、職能・機能別の組織(営業、生産、購買など)が設けられる。事業や組織の規模が大きい大企業に多い組織形態である。

一つの事業に必要な機能を一つの組織にまとめた形態で、一つの事業部がさらに複数の事業や製品ごとの組織で構成されることもある。人事や財務、法務、基礎研究など、専門性の高い業務や全社横断的な業務、どの事業にも直接は関係しない業務などに関する組織は本社部門とし、各事業の中心となる製品開発や製造、販売などで事業部を構成することが多い。

各事業の収支や責任が明確になり、現場や市場に即した迅速な意思決定がえるというメリットがあるが、事業部間で機能や人員、業務の重複が生じるため非効率な面がある。また、他の事業部との一体感が希薄になり、全社の利益より自らの事業部の利益を優先したり、全体最適な資源配分が阻害されることがある。事業部の独立性をさらに高め、仮想的な企業のように完結した機能を持たせた組織形態は「カンパニー制組織」という。

(2024.5.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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