ペネトレーションプライシング 【penetration pricing】 市場浸透価格戦略

概要

ペネトレーションプライシング(penetration pricing)とは、製品の価格戦略の一つで、新製品の市場投入の初期に利益度外視の低価格を設定し、市場シェアの獲得を狙う戦略。

赤字も厭わない極端な低価格で製品を大量に供給し、競合の追随を断念させ大きな市場シェアの占有を試みる。消費者にブランドを浸透させ「○○といえば××」という第一想起の地位を獲得し、大量販売によって後から徐々に収益を上げていく。

前提条件として、供給を増やすほど単位コストが低下(規模の経済、購買交渉力、経験曲線効果など)すること、価格次第で需要が大きく変動する(価格弾力性が大きい)こと、市場シェアが競争力を大きく左右することなどが必要となる。初期の投資や損失が膨大になることがあり、大きなリスクを伴う。

これとは逆に、市場参入の初期に高価格を設定し、限られた上位の顧客層のみをターゲットとすることで早期に投資回収を狙う価格戦略を「スキミングプライシング」(上澄吸収価格戦略/上層吸収価格戦略)という。新しい市場や製品に「一番乗り」を果たした企業によく見られる。

(2022.2.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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