読み方 : ラインアンドスタッフそしき
ラインアンドスタッフ組織【line and staff organization】ライン&スタッフ組織
概要
ラインアンドスタッフ組織とは、企業などで採用される組織形態の一つで、事業を直接遂行する部門と、専門知識でこれを補佐する部門の二系統で構成されるもの。命令系統の一元性を保ち、専門性の高い業務を効率的にこなすことができる。

企業の本業や主事業の根幹をなす業務を担う組織を「ライン部門」と呼び、経営層から現場まで一元的な指揮命令系統のもとに置かれる。製品開発や購買・調達、生産・製造、営業・販売など、売上や利益に直接的に携わる部門が該当する。
一方、専門的な機能によって間接的に主事業を支える組織を「スタッフ部門」と呼び、ライン部門とは別に経営層の直下に置かれる。総務や人事、財務・経理、法務、広報、情報システム、研究開発などの部門がスタッフ部門として設置されることが多い。
両部門は指揮命令系統の性質が異なる。ライン部門は上位から下位への一元的な命令に従って業務を執行するのに対し、スタッフ部門はライン部門への直接的な指揮命令権を持たず、専門知識の提供や助言、制度整備などを通じて間接的に支援する立場にある。スタッフ部門の助言とライン部門の判断が一致しない場合や権限の所在が不明確な場合には、意思決定の遅れや部門間の対立が生じることもあり、多くの組織では権限と役割分担を明確に定めた上で運用している。
ラインアンドスタッフ組織は、単純な階層構造であるライン組織に専門部門を加えた形態として発展した。事業規模が拡大すると、現場の階層構造だけでは経営層の管理能力に限界が生じ、専門的な支援を行う仕組みが必要となる。起源は19世紀後半の米国の鉄道会社や軍隊の組織構造にあるとされ、現在も企業に限らず行政機関や教育機関、医療機関など様々な組織で広く採用されている。
組織形態にはこのほか、職能ごとに指揮命令系統を分ける「職能別組織」や、事業ごとに独立した組織を置く「事業部制組織」、複数の指揮命令系統を併存させる「マトリックス組織」などがあり、ラインアンドスタッフ組織もこれらと並ぶ代表的な形態として位置付けられている。
(2026.7.5更新)