デザイン思考 【design thinking】 デザインシンキング

概要

デザイン思考(design thinking)とは、デザイナーがデザインをう際に見られる認知パターンや思考過程のこと。また、これを体系化し、デザイン以外の様々な問題解決プロセスに応用する方法論。

何かをデザインする際に共通して見られる過程を考察・整理したもので、人々が求めているものに対する理解、課題を解決する創造的なアイデアの考案、試作や試験の繰り返しなどで構成される。問題に対するこのようなアプローチは、明確に定義されていない、または未知の複雑な問題に取り組む場合に特に有用となる。

5つのステップ

2005年にスタンフォード大学ハッソー・プラットナー・デザインスクール(d.school)がまとめた、「共感」(emphasize)、「定義」(define)、「アイデア出し」(Ideate)、「試作」(Prototype)、「試験」(Test)の5段階からなる過程がよく知られる。

「共感」は製品の利用者など、人々が求めているものを探る段階で、行動の観察や聞き取りなどを通じて理解を深める。「定義」は集めた情報を整理・分析する段階で、取り組むべき中心的な課題を導き出す。自社にとってのではなく人々にとっての課題である。

「アイデア出し」では、ブレーンストーミングなどの手法を活用して、思い込みに囚われない自由な発想で解決策に繋がるアイデアを生み出していく。多数のアイデアを分類してパターンを見出したり、統合や選択を繰り返して解決策へ落とし込んでいく。

「試作」は実際に新製品の試作品(プロトタイプ)を制作するなど、解決策を実装、具現化していく過程である。「試験」は試作品など得られた実装をテストして評価する過程で、実際に対象ユーザーに試作品を使ってもらうユーザーテストなどが活用される。

これらの過程は直線的に一度ずつわれるとは限らず、後戻りや繰り返しが何度もわれることもある。例えば、テスト結果を受けて改良版を試作したり、試作品制作の過程で得られた知見から新しいアイデアが生み出され、試作をやり直すといったことが起き得る。

(2023.9.8更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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