コンプライアンス 【compliance】 法令遵守
概要
コンプライアンス(compliance)とは、順守、準拠、適合(性)、整合(性)、従順などの意味を持つ英単語。日本語の外来語としては、企業が法律などのルールを守ることを意味する「企業コンプライアンス」「ビジネスコンプライアンス」のことを指す場合が多い。「法令遵守」(ほうれいじゅんしゅ)とも訳される。企業コンプライアンスとは、企業が業務の遂行にあたって法律や条例、政令、規制、業界団体などが定めた規則や申し合わせ事項、自主規制といった各種のルールを遵守することを意味する。外部で制定されたものに加えて自社内で独自に定めた社内規則や倫理規定、行動規範などを対象に含めることもある。
コンプライアンスは企業統治(コーポレートガバナンス)および内部統制の重要な構成要素の一つとされ、担当の部署や体制を設けたり、社内通報制度などの仕組みを整備することもある。
一般的には遵守する対象は何らかの形で明文化されたルールであり、倫理や道徳、社会的規範、常識などモラルやマナーの範疇に属するものは含まれないが、これらを含めてコンプライアンスの対象にすべきであるとする考え方もある。
不正競争防止法
日本の法律の一つで、市場において事業者間の競争が公正に行われるよう、競争上の不正行為を定めて規制・禁止するもの。損害を被った者は差止請求や損害賠償請求などができるほか、一部の行為は刑事事件として刑事罰の対象となる。
営業秘密の侵害や、複製・模造商品の販売、商品名やロゴなどの模倣、著名人の名前などの無断使用、デジタルデータのコピー制限技術やアクセス管理技術の解除や回避、商品の材料や原産地などの偽装や紛らわしい表示、他社の商標などに一致または類似するインターネットドメイン名の使用、競合相手を誹謗する虚偽情報の流布、外国製品の輸入代理店などが原権利者に無断で商標等を流用することなどを禁止している。
また、外国と交わした条約などに基づいて、外国公務員への贈賄や、外国の国旗や紋章などの不正使用、国際機関の標章などの不正使用も禁じている。
1934年(昭和9年)に、工業所有権の保護に関するパリ条約を批准するために制定されたもので、現在施行されているのは1993年(平成5年)に全面改正され、その後何度か部分改正されたもの。全面改正前の旧法を旧不正競争防止法と呼ぶことがある。
公益通報者保護法
法令違反などを内部告発した従業員に、経営側が報復することを禁じる法律。2006年4月に施行された。
企業などの法人や行政機関が行っている(あるいは行おうとしている)法令違反を知った従業員がそのことを告発した際に、法人側が告発を理由とする解雇や雇い止め、減給、降格など不利益な取り扱いを行うことを禁じている。
対象となる内部告発は、刑法や食品衛生法など国民の生命や財産の保護に関連する法律や条例、政省令に対する違反や犯罪で、通報先は企業内部の管理部門などのほか、処分や取り締まりなどの権限を有する行政機関、マスコミや消費者団体など外部機関が規定されている。
関連用語
関連リンク (外部サイト)
他の辞典による解説 (外部サイト)
- ウィキペディア 「法令遵守」
- 日経 xTECH ITレポート(キーワード3分間講座) 「コンプライアンス」
- 日経 xTECH ものづくり用語 「コンプライアンス」
- 三省堂 10分でわかるカタカナ語 「コンプライアンス」
- ITmedia エンタープライズ 情報システム用語事典 「コンプライアンス」
- マイナビ スグ使えるビジネス用語集 「コンプライアンス」
- NTTコミュニケーションズ Smart Data Platform 用語集 「コンプライアンス」
- ESETマルウェア情報局 キーワード事典 「コンプライアンス」
- ミツエーリンクス Web「経営革新ツール」用語集 「コンプライアンス」
- エリートネットワーク ビジネス用語集 「コンプライアンス」