圧縮ソフト 【compression software】 データ圧縮ソフト / ファイル圧縮ソフト

概要

圧縮ソフト(compression software)とは、与えられたデータを一定の計算手順によって短い符号に変換し、実質的な内容を維持したままデータ量を削減するソフトウェア。単に圧縮ソフトという場合は汎用のファイル圧縮ソフトを指すことが多い。

ファイルなどのデータを圧縮ソフトに与えると、特定の圧縮アルゴリズムに従って短いデータに変換する。圧縮されたデータを利用する際には元の状態に戻す処理が必要となり、この処理を「解凍」あるいは「展開」「伸張」「減圧」「抽出」などという。

圧縮ソフトの多くは圧縮の他に解凍の機能も持っていることが多いが、圧縮のみ、あるいは解凍のみが可能なものもある。圧縮アルゴリズムには様々な種類があり、計算量や圧縮率、得意なデータの特徴などが異なる。単一の方式にのみ対応した圧縮ソフトもあるが、著名なソフトの多くは複数の方式に対応している。

汎用の圧縮ソフトおよび圧縮アルゴリズムは文書やメディアデータ、プログラムなどどのような形式のデータも対象とすることができ、解凍すると完全に元の状態に戻すことができる「可逆圧縮」(lossless compression)を行う。汎用圧縮ファイル形式としてZipRARgzip、7zなどがよく知られる。

これに対し、画像や動画、音声などに特化した圧縮ソフトおよび圧縮形式では、元のデータをわずかに改変したり間引いたりする(完全に元の状態には戻せない)ことで劇的に圧縮率を高める「非可逆圧縮」(不可逆圧縮lossy compression)方式を採用しているものが多い。JPEGMP3MPEG-4など著名なメディアデータ形式のほとんどが非可逆圧縮を行う。

(2022.7.4更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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