永続性 【persistence】
概要
永続性(persistence)とは、物事が長続きする性質やその度合い。IT分野では、コンピュータプログラムの処理対象となるデータが、プログラムの終了やコンピュータの電源断後も消滅せずに存続する性質を指すことが多い。例えば、文書編集ソフトに文字を入力して文書を作成する場合、ソフトを終了するたびに文書が消去され次回はまたゼロから作り直しでは不便であるため、作成したデータを文書ファイルなどの形で保存し、次の使用時にこれを読み込んで続きを編集できるようにする。
現代のコンピュータの設計ではプログラムが実行時に展開されるメインメモリ(RAM)は通電が途絶えると記憶内容が失われるため、データに永続性を与えるにはハードディスクやSSDなど何もしなくても記憶が維持されるストレージ装置への書き込みが必須となる。
永続化 (perpetuation)
データやプログラムを保存する操作や処理を行い、あるいはそのための仕組みを設けて永続性を与えることを永続化ということがある。
文書ファイルのように利用者が直接作成、編集するデータが永続化されるのは当たり前であるため、「永続化」とあえて言う場合は永続しない場合がある(あるいは、通常はしない)データなどにあえて永続性を与える仕組みを指すことが多い。
例えば、オブジェクト指向プログラミング言語などで、実行中のプログラムがメモリに生成したオブジェクトのインスタンスは実行終了と共に消滅するのが常だが、シリアライズ(serialization)などの手法である瞬間の実行状態を丸ごとストレージに複製し、後から取り出して実行を再開できるようにする仕組みが提供されることがある。
(2020.8.18更新)