カスケード 【cascade】 カスケーディング / cascading

概要

カスケード(cascade)とは、何段も連なった小さな滝のこと。転じて、同じものがいくつも数珠つなぎに連結された構造や、連鎖的あるいは段階的に物事が生じる様子を表す。

カスケード接続

通信ネットワークや電気配線などの分野では、集線装置や中継機器など同士を接続することをカスケード接続あるいはカスケーディングという。ハブやネットワークスイッチ同士をケーブルで結びカスケード接続することで、より多くの機器を同じネットワークに接続できるようになる。

通常のポート同士をクロスケーブルで接続するか、片方の機器の「カスケードポート」(結線が反転している)と相手方の通常のポートをストレートケーブルで接続する。リピータハブカスケード接続の段数に制限があるが、スイッチングハブは何段でも追加できる。

CSSのカスケード

Webページの見栄えを定義するCSSCascading Style Sheet)で、ある要素に適用されるスタイルを、大域的に定義されたものから局所的に定義されたものへと順番に引き継ぎながら適用していくことをカスケードあるいはカスケーディングという。

CSSの“Cascading”の名称の由来ともなった概念で、ある要素のスタイルを決定する際に、まず「すべての要素に設定されたスタイル」(があればそれ)を適用し、次に「ページ全体に設定されたスタイル」(同)を、続いて「上位の要素」「その要素のタグ」「その要素の属するクラス」「その要素のID」「タグに直に記述されたスタイル」などといった具合に、上流で適用されたスタイルを引き継ぎ、競合する場合は上書きしながら、段階的に設定していくことを意味する。

カスケード表示

グラフィック表示によるコンピュータの操作画面(GUI)で、同じサイズの複数のウィンドウを斜めに少しずつずらしながら重ねて表示していくことをカスケード表示という。ソフトウェアによっては「重ねて表示」などのメニュー名で表されることもある。

大きめのサイズのウィンドウを左上から右下に向かってタイトルバーが重ならないように斜めにずらしながら重ねて表示する。画面内に必ず各ウィンドウの端が表示され、多数のウィンドウを並べた場合も素早く目的のウィンドウを手前に呼び出すことができる。

サイバーカスケード

SNSなどで考えが似た人同士が集団を形成して議論を繰り返すうちに、次第に異論を許さない閉鎖的、排他的な傾向が強まり、参加者の思考や言動が先鋭化、過激化していく現象を「サイバーカスケード」(cyber cascade)という。

(2023.1.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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