シェアリングエコノミー 【sharing economy】

概要

シェアリングエコノミー(sharing economy)とは、インターネットを介して個人間で財産の貸し借りや共有、能力の提供などが容易になることで創出される新たな経済。狭義には個人間の財やサービスのやり取りを仲介するビジネスを指し、広義には(個人所有せず共同利用するという意味で)事業者の用意した物品などを貸与するビジネスも含まれる。

従来、個人間でのモノやサービスの融通は知り合いなどの狭い範囲でわれてきたが、インターネットの普及により低コストで不特定多数に呼びかけることができるようになり、金銭を介する経済活動として成立するようになってきた。

ネット上には分野や対象ごとに様々な仲介業者が存在し、個人の持つ物品や不動産、遊休時間、専門的な能力などを、それを必要とする他の個人に有償で販売、貸与、提供する橋渡し(マッチングサービス)をしている。

提供者は今までは遊ばせておくしかなかった資産を有効活用して副業的な報酬を得ることができ、利用者は固定的な所有(購入)や契約をわなくても必要な時に必要なだけスポット利用できる利点がある。

やり取りする対象により、物品の売買や貸与など「モノ」のシェア、駐車場や会議室、空き部屋(民泊)などを貸し出す「空間」のシェア、人の移動や物品の配達、移動手段など「移動」のシェア、家事や育児、料理など「スキル」のシェア、少額の貸し借りや投資、寄付など「お金」のシェアに分類される。

個人間のやり取りでは信用や品質の担保が大きな課題で、不心得な提供者あるいは利用者によるトラブルがたびたび報告されており、仲介事業者側では利用者によるレビュー(評価)制度などの対策を講じている。また、日本では対価を取って客を自動車で輸送する行為は道路運送法の、所有施設に宿泊させる行為は旅館業法の規制対象となっており、既存の法律や規制などとの整合性を取ることも重要となる。

(2021.10.24更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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