プロジェクトマネジメント 【project management】 PM

概要

プロジェクトマネジメント(project management)とは、具体的な目標や完了が定義された計画(プロジェクト)を遂行するため、人材・資金・設備・物資・スケジュールなどを調整し、各工程の進捗状況の把握や管理をうこと。特に、方法論として体系化、標準化され、様々な分野に適用できる「モダンプロジェクトマネジメント」を指すことが多い。

プロジェクトとは、開始と終了や期限が決まっており、具体的な成果物や目標が定義され、一時的に組成された組織によって遂行される短期間(数週間から数年程度)の一連の活動の集合であり、そのマネジメントは永続的な組織や事業、業務のそれとは異なる部分がある。

プロジェクトの計画や管理に焦点を絞り、手法や工程の体系化、標準化を進める試みがモダンプロジェクトマネジメントであり、その源流は1950年代後半に米国防総省が取り組み始めた軍事プロジェクトのマネジメントについての研究であるとされる。

日本では大企業や官公庁などに導入する大規模な情報システムソフトウェア開発プロジェクトを効率的に管理する手法として紹介され、普及してきた経緯があるため、IT分野のマネジメント手法だと思われていることが多いが、基本的にはあらゆるプロジェクトに応用可能な汎用的な手法である。実際、大規模建築物の建設や企業経営から軍備に至るまで、様々な分野に適用事例がある。

PMIとPMBOK

その後、分野を問わず適用できる標準化されたマネジメント手法として発展し、現在ではアメリカの非営利団体PMIProject Management Institute/プロジェクトマネジメント協会)が発行する「PMBOK」(Project Management Body Of Knowledge)と呼ばれる知識体系が有力な標準として世界的に広く普及している。

PMBOKでは、プロジェクトを「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・制御」「終結」の5つの工程(プロセス)に分け、それぞれをさらに詳細な標準プロセスの集合として定義している。また、マネジメントの対象領域を「統合」「スコープ」「スケジュール」「コスト」「品質」「人的資源」「コミュニケーション」「リスク」「調達」「ステークホルダー」の10の知識エリアに分け、それぞれに必要なプロセスや有効な技法、ツールなどを挙げている。

従来のプロジェクト管理は、ベテランの管理職従業員などに個人的に蓄積された経験や知識、技能に頼ったり、各企業などが独自に制定したプロセスを用いることが多かったが、モダンプロジェクトマネジメントの導入により、長年の間に様々な組織や機関が研究や検証を重ね洗練されたプロセスを極力属人性を排した形で実施することができる。

PMBOKではプロジェクトマネージャがいつどういった点に注意して何をうべきかについてある程度具体的に定めている部分もあるが、分野によらず応用できるよう汎用的・抽象的な原則が記述されているところも多く、個別のプロジェクトでどのように応用するかはプロジェクトマネージャの理解の深さや技量によるところも大きい。

PMIではPMBOKを深く理解しプロジェクトに適用する知識や技能を身に付けていることを認定する国際的な資格「PMP」(Project Management Professional)試験を実施している。日本でも一般社団法人PMI日本支部が日本語で試験を実施している。

(2018.11.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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