z/OS
概要

同社のメインフレーム(ホストコンピュータ)を制御する基幹OSで、大量の処理を止めずに続けられる高い信頼性と可用性を備え、旧製品向けのプログラムを新しい版でもそのまま動かせる後方互換性を持つ。
処理の投入や実行、出力を管理する「JES」(Job Entry Subsystem)や、データセットの管理、ネットワーク通信、セキュリティ、システム資源の管理といった機能が統合されている。バッチ処理では「JCL」(Job Control Language)で実行するプログラムや入力データ、出力先を指定する。
現在のz/OSは、COBOLなど従来型の業務処理向けの技術に加えて、Web技術やJava、オープンソースソフトウェア、クラウドとの連携にも対応している。UNIX系OSとの互換環境である「UNIX System Services」(USS)を備え、POSIX準拠のアプリケーションもそのまま動作する。管理作業にはWebブラウザから操作する「z/OS Management Facility」(z/OSMF)が使われる。ソフトウェアの導入や設定、データ管理を画面上で行えるほか、REST APIによる管理の自動化にも対応する。
歴史
z/OSは2001年に当時の「OS/390」の後継として登場した。OS/390の前身は「MVS」で、さらに「OS/VS」や「OS/360」と、1960年代の製品まで遡ることができる。長期間受け継がれてきた技術資産を活用できるため、稼働中の基幹システムを段階的に更新する際にも利用される。
新版は約2年ごとに登場し、最新のz/OS 3.2は2025年9月に一般提供が始まった。新機種「IBM z17」に対応し、AIを活用した機能や耐量子暗号、サイバー攻撃への対策の強化が盛り込まれた。3.2では継続的デリバリー(CD)による機能追加が続けられており、2026年にもIPv6やJava 25、ネットワーク、z/OSMFなどの更新が行われている。