VMware ESXi 【VMware ESX】 vSphere Hypervisor
概要
VMware ESXi(VMware ESX)とは、米ブロードコム(Broadcom)社VMware部門のソフトウェア製品の一つで、一台の物理的なコンピュータを複数の仮想的なコンピュータに分割するハイパーバイザ(仮想マシンモニタ)。無償版は正式には「vSphere Hypervisor」と呼ばれる。同社の仮想化製品パッケージ「VMware vSphere」を構成する中核的な製品で、データセンターにおける仮想サーバの構築・運用などでよく用いられる。vCenter Serverなどで一括管理できる有償版と、単体で用いる無償版(vSphere Hypervisor)が存在した。
コンピュータ上で複数の仮想的なコンピュータ(仮想マシン/VM:Virtual Machine)を起動し、それぞれ独立に別のOSやソフトウェアを実行することができる。外部からはあたかも複数の別のコンピュータが動作しているように振る舞う。
オペレーティングシステム(OS)を介さずコンピュータのハードウェア上で直に実行されるベアメタル型ハイパーバイザの一種で、完全仮想化された環境を提供する。OSやソフトウェアは仮想化環境向けに調整する必要がなく、通常のものをそのまま使用することができる。
2001年に「VMware ESX」(Elastic Sky X)の名称で発売され、2008年に管理コンソールなど周辺的な仕様の一部を変更(中核のハイパーバイザ部分は同一)した無償版の「VMware ESXi」(ESX integrated)が公開された。2010年には従来のESX系列は廃止されてESXiに一本化され、無償版はvSphere Hypervisorに改称した。
一般的なパソコンでも動作するため、無償版はソフトウェア開発やセキュリティ研究などに用いる仮想化環境としても人気だったが、2023年に開発元の旧VMware社がBroadcom社によって買収・吸収されると経営方針が代わり、2024年に無償版の提供は終了となった。
(2024.2.26更新)