マルチバイト文字 【多バイト文字】 MBCS / Multibyte Character Set

概要

マルチバイト文字(多バイト文字)とは、コンピュータで文字を扱えるよう各文字に番号を対応付ける文字コード文字セットのうち、一文字を2バイト以上のデータ量で表すもの。また、そのようなコード体系によって表される文字。

東アジア諸語のように文字の数が多く1バイト(0~255)の値では表しきれない国や地域では、早くから多バイト文字セット文字コードの規格が整備されてきた。日本語などは2バイトで表すコードが普及しているため、2バイトのものを特に「2バイト文字」「ダブルバイト文字」(DBCSDouble-Byte Character Set)ということもある。

例えば、日本のJIS X 0208JIS基本漢字)は英数字、記号、ギリシャ文字、キリル文字、ひらがな、カタカナ、漢字などが収録され、各文字を2バイト(0~65,535)の番号で識別する2バイト文字セット文字集合)規格である。

また、これを符号化する方式を定めた「JISコード」「Shift JISコード」「EUC-JP」などの文字コード(文字エンコーディング)規格は、文字セットに収録された各文字の識別番号を2バイトビット列に符号化する変換方法を定めた2バイト文字コードと言える。

一方、ASCIIコード(7ビット)や、これを拡張して欧州諸語のアルファベットなどを収録したISO/IEC 8859のような8ビットコードは「1バイト文字」「シングルバイト文字」(SBCSSingle-Byte Character Set)という。また、UnicodeUTFは全体としてはマルチバイトだが、UTF-8ASCIIの範囲の文字は1バイトで表す特殊なコード体系となっている。

(2018.6.7更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。