AS 【Autonomous System】 自律システム
概要
AS(Autonomous System)とは、インターネットを構成する単位となる、ある一つの管理主体によって保有・運用されている独立したネットワーク。単一の経路制御(ルーティング)ポリシーを共有するネットワークで、外部から一つの塊として認識される。インターネットは「ネットワークのネットワーク」とも呼ばれ、様々な管理主体の運用する通信ネットワークを相互に接続して成り立っている。その構成単位となる、個々の通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)、企業などにより統一された運用方針や制御情報に基づいて通信するネットワークのことをASという。
複数の他のASと相互接続しているASには固有の識別番号(AS番号)が割り当てられ、経路選択の際のネットワークの識別や指定などに用いられる。AS番号は16ビット(2バイト)あるいは32ビット(4バイト)の値で、重複が起きないようIANAが管理している。各地域のRIR(Regional Internet Registry/アジア太平洋地域はAPNIC)を通じて各国NIC(Network Information Center/日本はJPNIC)に配布され、NICから各組織へ割り当てられる。
インターネット上でのパケットの経路制御(ルーティング)はAS間とAS内で分かれており、それぞれ異なるルーティングプロトコル(通信規約)や経路情報が用いられる。現在のインターネットではAS間の経路制御にはBGP(Border Gateway Protocol)が用いられている。AS内のルーティングは運用組織によって決められており、OSPFやRIPなど各種のIGP(Interior Gateway Protocol)が用いられる。
(2018.12.19更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 情報セキュリティ大学院大学「情報セキュリティ総合科学」12号「サイバーセキュリティと通信の秘密に関する提言:自律システム管理責任の明確化と対象を特定した通信ログの利活用を」(PDFファイル)にて引用 (2020年11月)