SINET 【Science Information NETwork】 学術情報ネットワーク
概要
SINET(Science Information NETwork)とは、国立情報学研究所(NII)が運用する、国内の大学や研究機関などを結ぶ通信ネットワーク。学術研究に必要なデータを施設間で高速に送受信するために構築されたもので、スーパーコンピュータの共同利用などに活用されている。全国の約1000に及ぶ大学や研究機関などが参加しているネットワークで、高速な専用回線で各機関が結ばれている。全国に70か所の接続拠点(ノード)を設け、400Gbpsの高速回線(SINET6)で相互接続されている。欧州・米国・アジアの提携学術ネットワークと光ファイバー回線で直結されており、外国の学術機関との高速通信も可能となっている。
インターネットと同じIP(Internet Protocol)により運用されており、IPv6での通信も可能となっている。SINETを経由してインターネットへ接続したり、他の機関との間や遠隔地のキャンパス間でVPNを構築することもできる。SINET6ではローカル5Gによる高速なモバイル通信も開始された。
SINET上では学術情報データベースなどが運用されているほか、大型の実験施設や大学間の共同利用施設を遠隔から利用したり、大量の観測データなどを送受信するのに活用されている。大学などと共同研究を行う民間企業や公的機関も一定の条件で接続が認められている。
1987年にNIIの前身である学術情報センター(NACSIS)によって学術情報ネットワークの運用が始まり、1992年にSINET(SINET1)に衣替えされた。2002年に「スーパーSINET」(SINET2)へ置き換えられ、2007年にはこれを増強して「SINET3」が開始された。以降も回線網や拠点、通信方式などを増強し、2011年に「SINET4」、2016年に「SINET5」、2022年に「SINET6」がそれぞれ運用開始された。
(2022.6.1更新)