等コストマルチパス 【ECMP】 Equal Cost Multi-Path / 等コストロードバランシング

概要

等コストマルチパス(ECMP)とは、あるルータから見て、ある特定の目的地までの間にコストの等しい転送経路が複数存在すること。また、その複数の経路トラフィックを振り分けて負荷分散すること(等コストロードバランシング)。

ルータルーティングプロトコルを利用して経路情報を集め、目的地までの最適な転送経路を作成する。その際、経由するルータの数(ホップ数)やルータ間の回線速度などを元に、地図で言う距離に相当する「コスト」(あるいはメトリック)を算出し、最もコストの低い経路を選択する。

ネットワークの構成によっては、特定の目的地までの間にコストが等しくなる複数の経路が存在することがあり、これを「等コストマルチパス」(ECMP:Equal Cost Multi-Path)という。コストの算出方法によっては各経路の仕様が完全に揃うとは限らず、例えば最大MTU経路によって異なる場合もありえる。

多くのルータはECMPが存在する場合、動的に転送先を切り替えて複数の経路を同時に使用することができる。この負荷分散機能を「等コストマルチパスルーティング」(ECMP routing)あるいは「等コストロードバランシング」(ECMP load balancing)という。パケット単位(per-packe)で切り替える方式と、一連のパケットセットにしたフロー単位(per-flow)で切り替える方式がある。

(2024.7.19更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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