サブネット 【subnet】 サブネットワーク / subnetwork
概要
サブネット(subnet)とは、機器やアドレスの数が多い大きなネットワークを、管理しやすいよう小さく分割したネットワーク。特に、IPネットワークで一つの組織に割り当てられた大きなアドレスブロックを、組織内で管理しやすい大きさに分割したもの。IPネットワークでは任意の大きさのネットワークを構成することができるが、あまりに多数の機器を一つのネットワークで管理しようとすると膨大な通信量(トラフィック)が発生してしまい実質的に機能しなくなってしまう。
このため、一つの大きなネットワークを適切な規模に切り分け、ネットワーク間の通信をルータによって制御する仕組みになっている。大きなネットワークを小さなネットワークに分割することを「サブネット化」(subnetting:サブネッティング)と呼び、分割されたネットワークを「サブネット」(subnet)という。
同じサブネットに属するホスト群は、IPアドレスの上位側の値が同じになっている。32ビットのIPv4アドレスのうち、サブネットを指し示す上位側を「ネットワークアドレス」、サブネット内で各機器(ホスト)を指し示す下位側を「ホストアドレス」という。
かつてはネットワークアドレスの長さは8ビット、16ビット、24ビットの3種類から一つを選ぶ方式だったが、アドレス管理の無駄が大きいため、任意の長さのネットワークアドレスを設定することができる「CIDR」(Classless Inter-Domain Routing)という仕組みが導入された。
この方式では、IPアドレスのうち上位側の何ビットがネットワークアドレスなのかを表す「サブネットマスク」(subnet mask)という値が用いられる。これは、最上位ビットからネットワークアドレスの長さだけ「1」が並び、下位側のホストアドレス部分には「0」が並んだ値である。
例えば、「11111111 11111111 11111111 11110000」というサブネットマスクならば、上位28ビットがネットワークアドレス、末尾の4ビットが16台分のホストアドレスとなる。これを、ネットワークアドレスと共に「198.51.100.0/28」のように表記する。