ディスタンスベクタ型ルーティングプロトコル 【distance-vector routing protocol】 距離ベクトル型ルーティングプロトコル

概要

ディスタンスベクタ型ルーティングプロトコル(distance-vector routing protocol)とは、ルーティングプロトコルの特徴・分類の一つで、隣接するルータ間でルーティングテーブル(経路表)を交換し合い、どの隣接ルータを経由すれば最短のホップ数で宛先に届くかを基準に経路を指定する方式。RIPIGRPなどが採用している。

ルータは隣接するルータから送られてきた経路表の中から、未知のネットワークや既知の経路より短い経路が見つかると、これを自分の経路表に追加して、自分の経路表を作る。これをさらに別の隣接するルータに送信し、バケツリレー式にすべてのルータ間で経路情報を共有する。

実装が容易でルータ内部に記憶しなければならない情報が少ないというメリットがあるが、経路情報の送受信が多く回線容量を圧迫する、不通区間の発生など経路の変化が生じた際の経路情報の収束(コンバージェンス)に時間がかかる、ルーティングループが発生しやすいというデメリットもある。

一方、ルーティングプロトコルのもう一つの有力な方式で、どのルータとどのルータが隣接しているかという接続情報を交換し合い、この情報の集合に基づいて経路を選択する方式を「リンクステート型ルーティングプロトコル」という。

(2020.4.22更新)

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