VRRP 【Virtual Router Redundancy Protocol】
概要
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)とは、ネットワーク上で複数のルータを束ねて一体的に運用するための制御情報を伝送するプロトコル(通信規約)の一つ。1998年にIETFがRFC 2338として標準化(その後RFC 5798で置き換え)した規格で、異なるメーカーの機器を組み合わせて使用することができる。2台のルータを外部からは1台に見せかけることで、デフォルトゲートウェイを冗長化して信頼性を高めることができる。各々のルータは自らのIPアドレスと共に、2台で共有される仮想IPアドレス(VIP:Virtual IP address)が割り当てられ、他の機器からはこのアドレスで識別される。一方の持つアドレスをVIPとして2台で共有することもできる。
通常はどちらか一方が稼働状態(マスタールータ)、もう一方が待機状態(バックアップルータ)として運用され、マスタールータが機能を停止するとバックアップルータが数秒以内にこれを自動的に検知し、処理を引き継いで肩代わりする。その間にマスタールータを復帰させれば停止時間なく常時運用することができる。
ほぼ同様の機能を定義したプロトコルにHSRP(Hot Standby Router Protocol)があり、主に米シスコシステムズ(Cisco Systems)社製ルータで利用される。VRRPとHSRPの間には互換性や相互運用性はなく、機器が対応している方を利用する形となる。
(2018.5.9更新)