NCP 【Network Control Protocol】
概要
NCP(Network Control Protocol)とは、PPPで接続された二者間で上位層のプロトコルを用いて通信を開始するための設定情報の送受信などを行うための通信手順(プロトコル)。ネットワーク層のプロトコルごとに異なるプロトコルが用意されている。PPP(Point-to-Point Protocol)は物理的に接続された二者間で仮想的な専用の伝送路を確立し、相互に安定的にデータの送受信を行うことができるようにするリンク層(データリンク層)のプロトコルで、家庭から通信事業者のネットワークに接続する際などに用いられる。
NCPは、PPP接続上で通信するネットワーク層のプロトコルの通信モードや使用するアドレスの調整など、各種の設定や制御を行うため、通信開始時などに使用される。NCPという単一のプロトコルがあるわけではなく、ネットワーク層のプロトコルごとにデータ形式や伝送手順などを定めた個別のプロトコルが決められている。
例えば、IP(IPv4)で通信したい場合はIPCP(Internet Protocol Control Protocol)、IPv6で通信したい場合はIPV6CP(IPv6 Control Protocol)というプロトコルを用いることと定められており、現代では主にこの二つのいずれかが用いられる。
歴史的にはPPPを通じて様々なネットワーク層のプロトコルが利用され、それぞれに対応するNCPが定義されている。NetBIOS用のNBFCP(NetBIOS Frames Control Protocol)、AppleTalk用のATCP(AppleTalk Control Protocol)、OSI(Open Systems Interconnect)ネットワーク用のOSINLCP(OSI Network Layer Control Protocol)などである。
(2023.6.29更新)