PT盤 【Premise Termination cabinet】

概要

PT盤(Premise Termination cabinet)とは、光ファイバー回線を加入者施設内へ配線するための接続・分配装置の一つで、建物の低層階などに置かれ外部からの光回線を受け入れる装置。ここから各階や各加入者宅へ光回線を分岐させる。

NTT東日本NTT西日本フレッツ光などの光通信FTTHサービスでは、通信事業者の拠点施設(収容局)から加入者宅まで光ファイバー回線を敷設する。局から地中や空中(電柱)を通って加入者の建物まで引かれた光ケーブルは、低層階共用部の木板(取付板)などに設置されたPT盤に引き込まれる。

建物内部では、各フロアを縦に貫いて配管などを通す電気配線シャフトEPSElectric Pipe Shaft)などを通じて光ケーブルが配線され、各階のEPS室などに設置された「PD盤」(Premise Distribution cabinet)に接続される。PD盤から各加入者の室内へ光ケーブルが引き込まれ、ONUなどの終端設備に繋がれる。

アパートのような小規模な建物ではPT盤のみが置かれ、そこから直接各加入者へ配線される場合もある。PT盤のことを「第1PD盤」、各フロアのPD盤を「第2PD盤」のように呼称することもある。大学や工場など敷地内に建物が複数あるような場合には、「大PD盤」「中PD盤」「小PD盤」のように3階層以上の分岐装置が配されることもある。

電話やADSLに用いられたアナログ電話回線では、PT盤に相当する設備を「MDF」(主配電盤)、PD盤に相当する設備を「IDF」(中間配電盤)と呼んでいたため、現在でも慣用的にこれらの用語がそのまま転用されていることもある。

(2024.2.26更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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