WRED 【Weighted Random Early Detection】 重み付きランダム早期検出
概要
WRED(Weighted Random Early Detection)とは、ルータやネットワークスイッチなどの中継機器が輻輳を回避するための機能の一つで、送信待ちパケットを貯めておく記憶領域の空き容量に応じて、優先度の低いパケットからランダムに間引くこと。ルータやスイッチの内部には半導体メモリなどで構成される記憶装置が内蔵されており、着信したフレームやパケットを貯めておいて次の転送先に送信するようになっている。この待ち行列のことをキュー(queue)という。
ネットワークが混雑して着信するパケットが増えると、送信が受信に追いつかなくなり、次第にキューの空き容量が逼迫してくる。WREDでは、残り容量が一定の割合を切ったら、空き領域の狭さに応じた確率で着信したパケットを破棄する(ランダムドロップ)。
その際、すべてのパケットに一律に同じ確率を適用するのではなく、IPヘッダに設定された優先度(IPプレシデンスあるいはDSCP)の値に応じて、優先度の低いパケットほど多くドロップする。リアルタイム性の強い通信などに遅延や中断が起こりにくくすることができる。
WREDの元になった方式で、優先度による重み付けを行わず、残り容量に応じてすべてのパケットを平等にランダムドロップする方式を「ランダム早期検出」(RED:Random Early Detection)という。また、ランダムドロップを行なわず、空き領域が満杯になるまでパケットを受け入れ続け、空きが無くなったらすべてのパケットを破棄する方式を「テールドロップ」という。
(2022.1.27更新)