マルチホーミング【multihoming】マルチホーム/multihome
概要

通常、家庭や企業のネットワークは一つの広域回線を通じてインターネット接続事業者(ISP)に接続される。この構成では、その回線やISPの設備に障害が発生するとインターネットへの接続が完全に失われる。こうした単一障害点(SPOF)を排除するのがマルチホーミングの基本的な考え方である。
マルチホーミングでは、それぞれ別の回線を経由して異なるISPや通信拠点へ同時に接続する。複数のWANポートを持つルータを用いる方法や、ネットワーク上に複数のルータを設置してそれぞれ別の接続先に繋ぐ方法がある。いずれかの経路が停止しても、残りの経路でインターネット接続を維持できる。
ロードバランサ(負荷分散装置)を併用することで、複数回線にトラフィックを分散して負荷を均一化することも可能である。自拠点から外部への通信を分散するアウトバウンドの負荷分散と、外部から自拠点への通信を分散するインバウンドの負荷分散がある。一般的な企業ネットワークではアウトバウンドの分散が中心となるが、外部からアクセスを受け付けるデータセンターなどでは双方を組み合わせて運用する場合もある。
大規模なネットワークでは、BGP(Border Gateway Protocol)を用いて複数のISPとの接続を動的に管理し、経路選択や障害時の切り替えを制御する構成が採られる。近年では、SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)の普及により、回線の品質状態やアプリケーションの特性に応じて通信経路を動的に制御する手法も一般化している。
(2026.6.22更新)