xDSL 【DSL】 Digital Subscriber Line / デジタル加入者線

概要

xDSL(DSL)とは、アナログ電話回線を用いて高速なデータ通信う技術。電話の音声を伝える信号よりはるかに高い周波数電気信号によりデータ通信うもので、インターネットの普及初期に高速な常時接続サービスの提供手段として広く利用された。

加入電話用のメタル回線銅線を撚り合わせた撚り対線ケーブル)に高周波電気信号を流してデジタルデータの送受信をうもので、音声用の低い周波数の信号とは干渉しないため、通話しながら同時にデータ通信うことができる。

データを音声信号に変換して伝送する「ダイヤルアップ接続」では数十キロビット/秒(kbps)程度が通信速度の上限となるのに対し、xDSL方式では数十倍から数百倍に相当する数メガビット/秒(Mbps)から10Mbpsを超える高速な通信が可能となる。

また、ダイヤルアップ方式では通信中は回線を専有してしまうため通信時間に比例した音声通話料を課金されるが、xDSLによる通信サービスでは定額で常に接続状態を維持して、いつでも通信が可能な常時接続方式に対応している。

いくつかの通信方式があり、インターネット接続サービスなどに採用されて最も普及したのは「ADSL」(Asymmetric DSL)と呼ばれる方式である。これは加入者側から通信局側への伝送(上り)とその逆(下り)の通信速度が異なる非対称型の通信方式で、下りが上りの数倍高速という特徴がある。数kmまでの長距離を通信可能で、通信局から加入者宅までの通信が可能なことから通信サービスに広く用いられた。

また、数百m程度の短距離を数十Mbpsの高速で通信できる「VDSL」(Very high-bit-rate DSL)は建物内の電話回線網を利用して高速なネット接続を提供する手段として光ファイバー接続サービスFTTH)と組み合わせて利用されている。他にも、上下の通信速度が同じ「SDSL」(Symmetric DSL)や、SDSLを高速化した「HDSL」(High-bit-rate DSL)などの方式が知られている。

(2024.6.23更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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