スタティックルーティング 【static routing】 静的ルーティング / 静的経路制御 / 静的経路選択

概要

スタティックルーティング(static routing)とは、ルータなどが管理者の入力・設定した経路表(ルーティングテーブル)に従って固定的に経路選択を行うこと。

ネットワークの管理者が設定ファイルにあらかじめ入力した静的な経路情報(スタティックルート)を元にネットワーク上の経路選択を行う方式で、経路表中の宛先へは常に決まった経路でパケットが送信される。

近隣と経路情報を交換しないため、伝送帯域を圧迫せず、外部から誤った経路情報などを受け取る心配もないが、指定した経路の一部が不通になっていても自動的に迂回路に切り替えるといった処理はできない。

また、インターネットなど広いネットワークではすべての経路を管理者が指定するのは現実的ではないため、表に指定のない宛先の場合には経路を知っていることが期待される上位の通信事業者のルータなどを「デフォルトルート」(default route)に指定し、経路選択をそちらに「丸投げ」する運用が行われる。

一方、隣接するルータと互いに知っている経路情報を交換し合って経路表を更新し、動的に経路選択を行う方式は「ダイナミックルーティング」(dynamic routing)と呼ばれる。インターネット上で中継・転送を行うルータなどは両方式を併用することが多い。

(2020.2.7更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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