80番ポート 【port 80】 ポート80 / TCP80番 / UDP80番
概要
80番ポート(port 80)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はTCPの80番をWebサーバがHTTPでWebブラウザなどと通信するために用いる。インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
80番ポートの用途
80番ポートはそのようなポート番号の一つで、Webサーバがクライアントからの接続を待ち受けてHTTPでデータを返信する標準のポートとして用いられる。この用途はインターネット運用団体のIANAに登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。
なお、UDP、TCP共にHTTP用に予約されているが、通常使われるのはTCPである。Webブラウザ側は一時的な用途のために確保されている番号(50000番台など)の中から空いているものを選んで使用することが多い。SSL/TLSを併用してHTTPSとして通信する場合は80番ではなく443番ポートが標準となっている。
技術的にはWebサーバが80番や443番以外で通信することも可能であり、プロキシサーバやイントラネット向けサーバを81番や8080番で動作させるなど、わざと標準とは異なるポート番号を用いることもある。その場合、ソフトウェアやネットワーク機器などの規定の設定はHTTPサーバが80番であることを前提にしている事が多いため、正しく通信できるよう設定などを見直す必要が生じることがある。