デフォルトルート 【default route】 ラストリゾート / last resort

概要

デフォルトルート(default route)とは、ルータなどがパケットの転送先を決定する際に、経路表に記載のないアドレスを処理するための特殊なルート。「すべてのルート」を表す特殊なアドレスが指定され、転送先として隣接するルータなどが指定される。

インターネットなどのTCP/IPネットワークにおいて、ルータパケットを受信すると、宛先に指定されたIPアドレスを自らが持つ経路表ルーティングテーブル)で参照し、該当するルートの次の転送先に指定された機器へ送信する。

デフォルトルートは経路表に記載がない場合に転送先を決めるために用いられるもので、経路表IPv4アドレスでは0.0.0.0/0、IPv6アドレスでは::/0として表される特殊なアドレスを記載し、転送先となる隣接ルータネクストホップ)のIPアドレスなどを指定する。

このアドレスは「すべてのIPアドレスに一致する」とみなされる特殊な表記で、表中に該当のないアドレスはすべてこのルートを用いて転送される。転送先として指定されたルータなどのことを「デフォルトゲートウェイ」(default gateway)「ラストリゾートゲートウェイ」(gateway of last resort)などという。

デフォルトルーティング (default routing)

デフォルトルートを用いてパケットの転送処理をうことをデフォルトルーティング(default routing)ということがある。自ら経路を判断できない場合に、隣接する他の機器に経路探索を任せる方式である。

インターネットへの接続口が一か所しかない組織内ネットワークなどでは、境界にあるルータが接続事業者(ISP)側のルータへ常にデフォルトルーティングをうことにより、経路制御をすべて任せてしまうことができる。

また、(ソフトウェアなどの機能としては用意されていても)自らは経路制御う必要がない末端のパソコンなどの機器は、経路としてデフォルトゲートウェイのみを設定し、すべての送信パケットゲートウェイに向けて送り出す、ある種のデフォルトルーティングによる運用われるのが一般的となっている。

(2018.11.5更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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