フローティングスタティックルート 【floating static route】

概要

フローティングスタティックルート(floating static route)とは、ルータに固定的に設定された経路情報(スタティックルート)の一種で、動的ルートよりも優先度を低く設定したもの。動的に設定された経路が利用できなくなった時だけ使用される。

ルータは他のネットワークへの経路情報を元にどの隣接ルータパケットを転送するか判断するが、隣接ルータから得た情報を元に動的構築されるものを「ダイナミックルート」(動的ルート)、管理者が入力したものを「スタティックルート」(静的ルート)という。

各経路には優先度を表す「アドミニストレーティブディスタンス」(AD値)が設定されるが、通常の運用ではスタティックルートには直接接続(0)に次ぐ高い優先度である「1」が設定されており、すべてのダイナミックルートに優先して用いられるようになっている。

フローティングスタティックルートはAD値を管理者が1よりも高いに設定し、ダイナミックルートより優先度を落としたものを指す。普段は使用せずに周囲から得た経路情報を優先し、何らかのトラブルで経路情報の取得に失敗したり、動的経路が不通になった場合にバックアップ的に利用する経路を設定することができる。

(2022.1.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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