HSRP 【Hot Standby Router Protocol】

概要

HSRP(Hot Standby Router Protocol)とは、ネットワーク上で複数のルータを束ねて一体的に運用するための制御情報を伝送するプロトコル(通信規約)の一つ。米シスコシステムズ(Cisco Systems)社の策定した仕様で、主に同社製ルータ製品で利用される。

2台のルータを外部からは1台に見せかけることで、デフォルトゲートウェイ冗長化して信頼性を高めることができる。各々のルータは自らのIPアドレスと共に、2台で共有される仮想IPアドレスVIPVirtual IP address)が割り当てられ、他の機器からはこのアドレスで識別される。

通常はどちらか一方が稼働状態(アクティブルータ)、もう一方が待機状態(スタンバイルータ)として運用される。アクティブルータが機能を停止するとスタンバイルータが数秒以内にこれを自動的に検知し、処理を引き継いで肩代わりする。その間にアクティブルータを復帰させれば停止時間なく常時運用することができる。

ほぼ同様の機能を定義したプロトコルVRRPVirtual Router Redundancy Protocol)があり、IETFによる標準化され各社で共通して利用することができる。HSRPとVRRPの間には互換性相互運用性はなく、機器が対応している方を利用する形となる。

(2018.5.9更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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