エグレス 【egress】 イーグレス
概要
エグレス(egress)とは、通信の方向を表す概念の一つで、ある機器やシステム、ネットワークにとって、そこから外部へ流れ出る通信のこと。送信、発信、流出。対義語は「イングレス」(ingress)。ちなみに英語の正しい発音は「イーグレス」の方である。ルータやファイアウォールなどの中継機器や機器内部のネットワークインターフェースに対してよく用いられる考え方で、機器から外へ向けて出発するデータ(の流れ)をこのように呼ぶ。外から機器に到着するデータ(の流れ)は「イングレス」(ingress)という。
似た概念に「アウトバウンド」(outbound)があるが、これはコネクションなどの伝送経路、あるいはセッションなどの一連の送受信の集合が、内部(自ら)を起点に開始されたことを意味するもので、個別のデータ伝送の方向を指すわけではない。
また、「上り」「アップストリーム」も近い意味で用いられることがあるが、これは上流と下流、中心側と末端側、中継装置と端末、サーバとクライアントのように立場や位置関係が非対称な場合に用いられる概念で、通信する二者のどちらから見ても中心側へ向かう流れが上方向となる。
(2022.4.26更新)