EGP 【Exterior Gateway Protocol】 エクステリアゲートウェイプロトコル
概要
EGP(Exterior Gateway Protocol)とは、複数の独立したネットワークを接続したTCP/IPネットワークにおいて、ネットワーク間の経路情報を通信機器間で交換する手順を定めたプロトコル(通信規約)。狭義のEGPは具体的なプロトコル規格の一つだが、広義のEGPはこれを含むプロトコルの総称で、現在ではBGPが主流となっている。両者を区別するため規格名をEGP、総称をEGPs(複数形)と表記することがある。
インターネットのような大規模なTCP/IPネットワークは、各組織が運用するネットワークである自律システム(AS:Autonomous System)を構成単位として、これを相互に接続した形態となっている。EGPsは異なるAS間を結ぶ境界上のルータ同士がAS単位の経路情報(自ASが他のどのASと繋がっているか等)を交換する手順を定めている。
一方、AS内など単一のネットワークの内部でルータを単位とする経路情報を伝達するためのプロトコルはIGP(Interior Gateway Protoccol、IGPsとも)と総称され、具体的な規格としてRIPやOSPF、IGRPなどが知られている。
規格としてのEGP
規格としてのEGPは1984年にIETFによってRFC 904として標準化されたもので、初期のインターネットのAS間のルーティングに用いられた。
ディスタンスベクタ型ルーティングプロトコルに分類され、隣接するAS間で経路表を交換し合い、どの隣接ASを経由すれば最短のホップ数で宛先ASに届くかを基準に経路を指定する。実装が容易でルータの記憶容量が少なくて済むという利点があったが、経路情報の収束が遅く、管理者が経路を任意に指定することができないなどの難点もあり、1990年代に入るとこの点を改良した後継のBGP(Border Gateway Protocol)に取って代わられた。
(2018.5.30更新)