ヘアピンNAT 【hairpinning】 NATループバック / NAT loopback
概要
ヘアピンNAT(hairpinning)とは、ブロードバンドルータなどが備える機能の一つで、静的NATなどで外部から接続可能に設定してある内部の機器に対して、内部の他の機器からもグローバルIPアドレスでアクセスできるようにするもの。家庭のインターネット接続のように内部ネットワークをプライベートIPアドレスで運用する場合、外部から内部の機器に接続要求を行なう使い方は通常できないが、家庭向けのルータ製品などの中には、ルータのグローバルIPアドレスへの接続を内部の特定のIPアドレスへ取り次ぐ機能(ポート開放、DNAT、簡易DMZ、静的NAT、ポートフォワーディングなど)を備えるものがある。
これを用いると、ルータの持つグローバルIPアドレスを窓口として内部にサーバなどを設けることができるが、内部の他の機器からそのサーバへグローバルアドレスを用いてアクセスすることはできず、hostsファイルを編集してホスト名をプライベートIPアドレスに強制変換するなどの工夫が必要だった。
ヘアピンNATに対応したルータはこの難点を解消し、外部から接続可能に設定されたアドレスやポートが存在する場合は、内部の機器からのグローバルアドレスによる接続も自機内で折り返してプライベートアドレスへ取り次ぎ、外部から接続するのと同じように通信できるように取り計らう。
(2022.3.18更新)