ケーブルモデム 【cable modem】
概要
ケーブルモデム(cable modem)とは、ケーブルテレビ(CATV)の回線を用いてコンピュータなどからデータ通信を行うための接続装置。ケーブルテレビ事業者によるインターネット接続サービスのために用いられる。事業者の施設から加入者宅まで通信ケーブルを敷設して、有線でテレビ放送の信号伝送を行うサービスを「ケーブルテレビ」(CATV)という。この回線に通信用の信号を重畳(合流)して、テレビ視聴とインターネット接続を併用できるようにしたサービスを「ケーブルインターネット」という。
ケーブルモデムは加入者宅に設置され、ケーブルテレビ局から受信した信号からテレビ用信号とデータ通信用の信号を分離したり、パソコンなどから家庭内LANを通じて受け取ったデータを局側に送信したりする。ケーブルテレビ用の回線は元々は双方向通信のために設計・敷設されたものではないため、下り(局→加入者)の通信速度の方が上り(加入者→局)より高速となることが多い。
データ通信機能を利用して音声をデータ化して送受信する「IP電話」の機能に対応した機種もあり、これを利用してNTTグループなど他の通信事業者の電話回線とも通話できるIP電話サービスが提供されている。放送、インターネット、電話の3つをセットにした総合通信サービスを「トリプルプレイ」という。
ケーブルモデムが登場した1990年代には各メーカーの独自仕様の製品が多かったが、1990年代末に業界団体CableLabsが主導して統一規格「DOCSIS」(Data Over Cable Service Interface Specification)が策定された。以降はDOCSIS標準を採用した製品が基本となっている。放送波の仕様の違いから各国のケーブルモデムの仕様もわずかに異なっている。
(2024.6.23更新)