仮想MACアドレス 【virtual MAC address】

概要

仮想MACアドレス(virtual MAC address)とは、通常は装置ごとに物理的に固定されているMACアドレスを、ソフトウェアによる制御により動的に割り当てたもの。仮想マシン仮想NICなどに割り当てられたMACアドレスを指すこともある。

MACアドレスネットワークに接続する機器ごと(正確には機器内の通信インターフェースごと)に割り当てられた一意の識別番号で、通常はメーカーが機器の製造時に固定的に割り当て、使用時に変更することは無い。

仮想MACアドレスはルータなどの機器が特殊な動作モードで使用するMACアドレスで、使用時に一定の生成規則に基づいて割り当てられる。物理的なMACアドレスは重複が許されないが、複数の機器で同じMACアドレスを共有して自動的に切り替えたい場合などに仮想MACアドレスを用いる。

例えば、VRRPHSRPなどのデフォルトゲートウェイ冗長化するプロトコルを使用する場合、2台のルータが同じ仮想MACアドレスを持ち、普段は片方の機器(マスター)のみがその仮想MACアドレスへの送信に応じる。マスターが停止すると自動的にもう一方の機器(バックアップ)が有効になり、同じ仮想MACアドレスで通信する。端末側から見ると両機器とも同じMACアドレスであるため、切り替わりを意識することなく通信を継続できる。

(2022.2.7更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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