ポート開放
概要
ポート開放とは、構内ネットワーク(LAN)内のあるコンピュータの特定のTCPやUDPのポート番号に、インターネットなど外部から接続要求できるようにすること。ネットワーク境界に置かれるルータなどの機能や設定によって行われる。家庭などでインターネットに接続する際、個々のパソコンなどには内部ネットワークでのみ通信できるプライベートIPアドレスを割り当て、外線と接続されたブロードバンドルータなどがグローバルIPアドレスとのアドレス変換(NAT/NAPT)を行なってインターネットに接続するという運用がよく行われる。
その場合、Web閲覧など内側の機器からインターネット上のサーバなどへ接続を開始してデータを送受信することは問題なくできるが、逆に、外部から着信を受け付けて通信を開始することはできない。
ポート開放はそのような環境で用いられるルータなどが持つ機能の一つで、利用者の設定により、UDPやTCPの特定のポート番号への着信をネットワーク内部の特定の機器へ固定的に中継・転送することができる。これにより、対戦型のゲームなど、外部からの着信を受けられる必要のあるソフトなどが利用可能になる。
「ポート開放」という用語は内側の機器を主体とする表現だが、同じ機能をルータなど中継機器を主体に見る場合には「ポートフォワーディング」(port forwarding)ということもある。また、内側の機器を外部に対してサーバとして運用できるという意味で「仮想サーバ」(バーチャルサーバ)機能とも呼ばれる。機器によって仕様や挙動に僅かな違いがある場合もあるが、いずれの語も定義上の明確な違いはなくほぼ同義である。
(2020.3.3更新)