EIGRP 【Enhanced Interior Gateway Routing Protocol】
概要
EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)とは、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が開発したルーティングプロトコルの一つで、IGRPを拡張したもの。インターネットなどで各組織が運用する自律システム(AS:Autonomous System)内部のルーティングに用いられるIGP(Interior Routing Protocol)の一つ。元になった同社のIGRPとの後方互換性を考慮しつつ様々な点を改良・拡張している。RIPやIGRPと同じディスタンスベクタ型(距離ベクトル型)を基本としつつリンクステート型の特徴を兼ね備えたルーティングプロトコルで、拡張ディタンスベクタ型あるいはハイブリッド型とも呼ばれる。
ルート選択に用いるメトリック値の算出にはホップ数以外の要素(帯域幅、遅延、負荷、信頼性など)を組み合わせて使用(複合メトリック)できる。DUAL(Diffusing Update ALgorithm:拡散アップデートアルゴリズム)と呼ばれる独自の経路選択アルゴリズムにより障害発生時にはすばやく代替経路への切り替え(コンバージェンス)が可能で、また環状経路(ルーティングループ)の発生を回避することができる。
IGRPではクラス単位でしかIPアドレスを分類できなかったが、EIGRPでは可変長サブネットマスク(VLSM:Variable Length Subnet Mask)とCIDR(Classless Inter-Domain Routing)に対応し、クラスに依存せず任意の粒度でサブネットを構成できるようになった。
AS内部のルータやゲートウェイの間での経路情報の交換や経路選択に用いられ、同社独自のプロトコルであるため同社製ルータのみで構成されたネットワークで用いられる。
(2019.8.15更新)