インターネットエクスチェンジ 【IX】 Internet Exchange / IXP / Internet Exchange Point
概要
インターネットエクスチェンジ(IX)とは、インターネット上で様々な事業者のネットワークを相互接続する施設。インターネットサービスプロバイダ(ISP)やデータセンター事業者、大手ネットサービス事業者など、外部と巨大なトラフィックをやり取りする事業者が参加する。通常、他の事業者と接続するには相手ごとに通信回線を用意し、「ピアリング」(大手事業者同士の場合)や「トランジット」(大手と中小事業者の場合)などの接続契約を結ばなければならないが、接続先の数だけ機材や回線を用意しなければならないという問題がある。
この負担を軽減するため、一か所の通信施設に各事業者が自社の回線を接続し、同じように参加している他の事業者すべてと同時に相互接続するという仕組みが考案された。このような施設のことをインターネットエクスチェンジという。一般的な構成の施設では各社のネットワークはレイヤ2スイッチ(LANスイッチ)を介して接続され、ルータ間でBGPにより経路情報の交換が行われる。
日本では東京や大阪など大都市を中心に十か所前後の主要なIXが運用されている。1994年に開設された日本最初のインターネットエクスチェンジである「NSPIXP-1」のように参加事業者が共同で運営する施設と、JPIX、JPNAP、BBIXのように事業として運営され各社の接続を受け付ける「商用IX」がある。どのIXも参加する事業者についての規定を設けており、通信量の規模など一定の基準を満たす必要がある。
近年では、インターネットを流れる通信量(トラフィック)のうち、多くの利用者を抱える巨大ネットサービスや伝送データ量の大きい動画配信サービスなどの割合が増しており、こうした事業者は大都市に自前でISP各社との交換拠点を設ける例が増えている。
また、Webコンテンツなどのキャッシュサーバを運用するCDN(コンテンツデリバリネットワーク)などの事業者も各社のネットワーク内に配信サーバを設けて外部との交換トラフィックを削減しており、通信がIXを通過する割合は以前より低下しているとされる。
(2024.1.29更新)