AS番号 【Autonomous System number】 ASN

概要

AS番号(Autonomous System number)とは、インターネットを構成する個々の独立したネットワーク(AS自律システム)に対して割り当てられている、一意の識別番号。2バイト(16ビット)または4バイト(32ビット)ので、各国のネットワークインフォメーションセンター(NIC)が発行している。

インターネットは「ネットワークネットワーク」とも呼ばれ、様々な管理主体の運用する通信ネットワークを相互に接続して成り立っている。その構成単位となる、個々の通信事業者インターネットサービスプロバイダISP)、企業などにより統一された運用方針や制御情報に基づいて通信するネットワークのことをASAutonomous System)という。

インターネット上でのパケット経路制御AS間とAS内で分かれており、BGPによるAS間の経路選択う際の各ASの識別番号としてAS番号が用いられる。重複を避けるためIANAが統一的に管理しており、各地域の地域インターネットレジストリRIRRegional Internet Registry)にブロック単位で配布され、RIRが各国NICを通じてインターネットへの接続を希望する組織に割り当てをう。

AS番号はすべての接続ネットワークに割り当てられるわけではなく、経路制御や選択に必要となる場合に限られる。すなわち、複数の異なるASと接続を持ち、パケットが様々な経路に転送されうるASマルチホームAS)にはAS番号が与えられるが、単一のAS上位プロバイダなど)のみを介してインターネットへ接続しており、外部との経路がすべて上位ASを通過するような場合(シングルホームAS)にはAS番号は不要である。

AS番号は当初は2バイト(16ビット)のとして規定され、0~65535までの整数値として表記された。このうち、0と65535は予約されており割り当てはわれない。64512~65534はAS内部で用いる「プライベートAS番号」で、インターネット上では使用しない。

4バイトAS番号

インターネットへの接続ネットワーク数が増え、従来の2バイトの番号では収容しきれなくなってきたため、2007年から4バイト32ビット)に拡張されたAS番号の割り当てが始まった。割り当て済みの2バイトAS番号は、単純に全ビットの0の上位2バイトを追加することで4バイトAS番号とすることができる(番号としては同じ)。

4バイトのAS番号は0~4294967295となり、約42億のASを識別することができる。新たに設けられた65536以上の番号空間のうち、65536~131071と4294967295は予約されている。また、4200000000~4294967294はプライベートAS番号用となっている。

(2018.12.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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