ルーティングループ 【routing loop】
概要
ルーティングループ(routing loop)とは、IPネットワークなどの転送経路上に生じた循環経路。パケットが一度通過したルータが経路上にもう一度出現し、宛先に届かずにぐるぐると回ってしまう経路のこと。ルータの設定に誤りがあったり、経路上で障害が発生して経路変更が生じた際などに発生することがある。ループに入ってしまったパケットは同じ経路を何度も循環してしまい、宛先に届かなくなってしまう。
パケットにはTTL(Time To Live)と呼ばれる有効期限(通常は転送回数の上限)が設定されているため、経路上に残留し続けて伝送容量を使い果たしてしまうことはなく、TTLが0になると寿命が尽きて破棄される。
ルーティングループは主にディスタンスベクタ型ルーティングプロトコル(RIPやIGRPなど)で発生し、「スプリットホライズン」(split horizon)や「ルートポイズニング」(route poisoning)といった手法で対応する。リンクステート型ルーティングプロトコル(OSPFやIS-ISなど)はルーティングループが発生しないことで知られる。
ルーティングループはネットワーク層の転送経路に生じる論理的な循環経路を指し、構内ネットワーク(LAN)などで生じる機器間の配線における物理的な循環経路のことは「ネットワークループ」「L2ループ」「物理ループ」(英語では “switching loop” )などという。
(2020.3.9更新)