SDN 【Software-Defined Networking】

概要

SDN(Software-Defined Networking)とは、コンピュータネットワークを構成する通信機器の設定や挙動をソフトウェアによって集中的に制御し、ネットワークの構造や構成、設定などを柔軟に、動的に変更することを可能とする技術の総称。

機器に組み込まれたソフトウェアと管理用のソフトウェアを連携させ、ネットワーク上の装置の配置や配線などの物理的構成とはある程度独立に、目的に応じて複数の仮想的ネットワーク構築することができる。そのように構築されたネットワークを指すこともある。

物理的な構成に縛られず論理的なネットワークを構成することは「ネットワーク仮想化」(network virtualization)とも呼ばれ、厳密にはSDNの応用の一つである。SDNによらず別の技術によって実現する手法(VLANVPNなど)もあるため、SDNそのものとは区別する場合もある。

従来のコンピュータネットワークでは、通信機器の一台ずつが独立した制御ソフトウェアや機能を持っており、設定や構成などは個別の機器ごとに、あるいは機器の種類(ルータネットワークスイッチなど)ごとになう必要があり、ネットワークの構成は固定的だった。

SDNでは、ネットワーク機器の制御機能(コントロールプレーン)とデータ転送機能(データプレーン)を分離し、制御機能を管理システム上のソフトウェアで集中管理する。各機器の動作は柔軟かつ動的に変更することができ、ネットワークの状態や利用方法が変わっても物理的な配線や各機器の個別の設定などを直接変更する必要が減る。

SDNを実現する制御システムプロトコル通信手順)は大手の通信機器メーカーが自社製品向けに独自に開発しているものも多いが、有力な標準規格として業界団体のONF(Open Networking Foundation)が策定している「OpenFlowオープンフロー」がよく知られる。

(2024.3.13更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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