ダイナミックルーティング 【dynamic routing】 動的ルーティング / 動的経路制御
ルータは内部にネットワークの経路情報の一覧である経路表(ルーティングテーブル)を持っており、これに基づいて受信したパケットを次にどこに転送するかを決定している。
ダイナミックルーティングが有効に設定されたルータでは、ルーティングプロトコル(routing protocol)を用いて隣接ルータ同士で互いに自分の持っている経路情報の交換を行なっており、受信した情報に基づいて経路表が自動的に更新されていく。
一台ずつ人手で経路情報を設定する必要がないため大規模なネットワークでは機器を効率的に管理でき、障害発生時にも不通になった経路の情報が伝播して迂回経路が自動的に構成される利点がある。
ただし、設定ミスなどで生じた誤った経路情報を外部から受信してしまったり、経路の切断や回復の情報が錯綜して経路選択が不安定になる場合がある。また、経路情報の交換に一定の伝送帯域を消費するため、通信容量が逼迫している状況ではデメリットとなる。
一方、管理者があらかじめ固定的に入力・設定した経路情報を「スタティックルート」(静的ルート)と呼び、これに基づいて経路選択することを「スタティックルーティング」(静的ルーティング)という。
(2020.2.6更新)