CEF 【Cisco Express Forwarding】

概要

CEF(Cisco Express Forwarding)とは、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社のルータ製品内部でパケットを転送する技術の一つで、内蔵された専用のICチップハードウェア処理するもの。極めて高速に転送することができる。

あるインターフェースで受信したパケットを別のインターフェースから隣のルータに送信するスイッチング処理を高速化したもので、内部的にルーティングテーブルから作成した「FIB」Forwarding Information Base)、ARPテーブルから作成した「隣接テーブル」(adjacency table)と呼ばれる二つの制御情報を用いる。

CEFが有効になっているルータは、まず着信したパケットの宛先IPアドレスをFIBで検索し、どの隣接ルータへ転送すべきかを調べる。次に、そのルータを隣接テーブル検索し、送信時に必要な制御情報を得る。この情報を元に隣接ルータに繋がるインターフェースからパケットを送信する。

この過程をすべて専用のハードウェアで処理するため、汎用CPUソフトウェアで処理する従来の方式に比べ極めて高速に転送することができる。また、どの経路への転送もFIBと隣接テーブルの一回ずつの検索のみで済ませられるため、経路が増えても性能が劣化しないという特徴がある。Cisco社独自の技術であり、同社製品のみで用いられている。

(2020.4.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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