ポリシーベースルーティング【PBR】Policy-Based Routing
概要

通常のルーティング方式では、宛先のIPアドレスのみを基準に次にどのルータに転送するかを決定するが、ポリシーベースルーティングでは宛先アドレス以外にも、送信元IPアドレス、プロトコルの種類、送信元あるいは宛先のポート番号、パケットサイズ、機器内の受信インターフェースなどの条件(ポリシー)を組み合わせて経路の指定を行うことができる。
実際のルータの設定では、ポリシーベースルーティングを適用する条件を優先順位を付けて複数指定することができ、受信したパケットが条件に該当する場合は指定された転送方式が適用される。いずれの条件にも合致しなかったトラフィックについては通常のルーティングが行われる。
アプリケーションの種類によって経由する回線を変更したり、重要なトラフィックに優先的に低遅延な回線を割り当てたりといった、宛先のみによる機械的なルーティングでは不可能な柔軟な転送を行うことができる。ただし、通常のルーティングより経路選択処理の負荷が大きいため、性能的な余裕が無い場合は転送処理がボトルネックとなり遅延の増大を招いてしまう場合がある。
(2021.11.8更新)