IETF 【Internet Engineering Task Force】
概要
IETF(Internet Engineering Task Force)とは、インターネットで利用される技術の標準化を推進する団体。法人や国などの単位ではなく、技術者などが個人として参加している。通信手順(プロトコル)やデータ形式など、インターネットで情報を交換するのに必要な技術標準の策定を行っている。主題ごとにワーキンググループ(WG:作業部会)が設置され、メーリングリストや年3回の全体会議で各規格の仕様の検討が行われている。議論の過程はすべて公開され、誰でも見ることができる。
標準を議論する際、「ラフコンセンサス」(rough consensus:緩やかな合意)と「ランニングコード」(running code:動くプログラムコード)として知られる理念を重視している。公的な標準化機関などに見られる厳格・厳密な合意形成プロセスに労力をかけず、まず作業部会の緩やかな合意で大枠の仕様を定め、具体的な実装例による運用や検証を進めながら詳細を議論していく。
IETFで決定された規格は「RFC」(Request For Comments)と呼ばれる文書にまとめられ、公開される。各規格には通し番号が与えられ、「RFC 2616」のように表記する。RFCとして技術標準以外にも情報提供(Informational)や運用上の推奨事項(BCP:Best Current Practice)なども発行されている。
他の標準化団体が対象としている技術分野については原則として取り扱わない。例えば、物理層の通信装置や回線、信号などの仕組みについてはIEEEなどの標準を、Web(WWW)関連の技術についてはW3C(World Wide Web Consortium)やWHATWGの標準を尊重し、独自に競合する規格を策定するといった活動はしていない。
(2022.11.23更新)