アドミニストレーティブディスタンス 【administrative distance】 AD値
概要
アドミニストレーティブディスタンス(administrative distance)とは、ルータが複数のルーティング方式を併用している場合に、どの情報源から設定されたルートを優先するかを指定する値。値が小さいほど優先的に利用される。インターネットで運用されているルータの多くは、管理者が指定したスタティックルート、周辺のルータからルーティングプロトコルで得たルート情報など、複数の情報源から経路情報を得てルートを探索する。
このとき、同じ宛先を指し示す異なる複数のルートが存在する場合は、それぞれの情報源のアドミニストレーティブディスタンスを参照し、より値が小さいルートのみをルーティングテーブルに記載する。値は機器内部の初期設定(デフォルト値)で決まっているほか、管理者が任意の値に変更することもできる。
アドミニストレーティブディスタンスは8ビット符号なし整数で表され、0から255までの整数を取ることができる。米シスコシステムズ(Cisco Systems)社製ルータの初期設定では、直接接続が0、スタティックルートが1、EIGRPサマリーが5、外部BGPが20…といったように順に値が大きくなっていき、「不明」の255が最大(最も優先順位が低い)となる。
(2021.7.21更新)