VTY【virtual teletype】
概要

ネットワーク機器には、通信用のイーサネットポートとは別に、管理専用の「コンソールポート」や「AUXポート」が備わっている。これらはパソコンのシリアルポートと専用ケーブルで直結して利用するもので、機器の近くに端末を置く必要がある。VTYはこの管理機能をイーサネットポート経由で提供するもので、LAN上のコンピュータから機器にログインし、コマンドの実行や設定変更、状態確認などを対話的に行うことができる。
VTYへの接続にはTelnetとSSH(Secure Shell)が用いられ、コンピュータ側ではシェルやターミナルソフトを操作する。TelnetはかつてVTY接続の標準的な手段であったが、通信内容や認証情報が平文で送受信されるため、現在では伝送路の暗号化を行うSSHを用いる運用が一般的である。多くの機器ではTelnetを無効化し、SSHのみを許可する設定が推奨される。
VTYは物理的なポートではなく、論理的な接続先として実装される。機器の設定ではVTYごとに認証方式やアクセス制御リスト(ACL)を定義でき、特定のIPアドレスからの接続のみを許可するといった制限を施すことができる。仮想ポートは複数用意される場合が多く、「VTY 0」「VTY 1」といったように番号で区別される。複数の管理者が同時にログインして作業を並行して進めることもできる。物理的なコンソールポートは通常一つしかなく同時利用が難しいのとは対照的である。
大規模な組織内ネットワークやデータセンターでは、多数の機器が離れた場所に分散して設置されている場合も多く、VTYによる遠隔管理が日常的な運用手段となっている。機器の初期設定や重大な障害発生時にはコンソールポートによる直接接続が必要になる場合もあるが、通常の設定変更や状態監視はVTY経由で行われることが多い。