シミュレーション 【simulation】 シミュレート / simulate

概要

シミュレーション(simulation)とは、現実の対象や現象から特徴的な要素を抽出してモデル化し、模擬的に実践・再現すること。科学技術の分野では現象の理解や予測、人工物の開発や改良などによく応用される。綴りから分かるように「シュミレーション」は誤記である。

「顧客の反応をシミュレーションする」といったように日常の場面でも模擬的な予測や再現をシミュレーションということがあるが、一般的にはコンピュータによる数値計算や情報処理を用いて複雑な物理現象や人工物の振る舞いなどを再現する「コンピュータシミュレーション」(computer simulation)を指すことが多い。

シミュレーションは実物による実験が様々な理由により不可能・困難な場合、あるいは長い期間や多くの費用を要する場合などに、これを簡易に代替する手法として実施される。対象の振る舞いや生じる現象への理解を深めたり、対象を扱う技能の教育・訓練をなったり、対象が人工物の場合は結果を元に修正や改良をったりする。

対象にまつわるありとあらゆる要素を正確に模倣することは不可能で、多くの場合は無意味でもあるため、対象の性質や挙動を代表する要素を絞り込んで単純化したモデルを用いて計算などをなう。モデルがよく対象を表していれば正確なシミュレーションができるが、誤りや粗さがあれば精度の低いシミュレーションにしかならない。

ある対象のシミュレーションをうことに特化した機器やソフトウェアシステムなどを「シミュレータ」(simulator)という。特に乗り物や機械の挙動を再現するシミュレータがよく知られ、自動車を模倣する「ドライブシミュレータ」や航空機を模倣する「フライトシミュレータ」は運転・操縦の訓練にも用いられる。

(2019.8.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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