人間中心設計 【HCD】 Human-Centered Design / 人間中心デザイン
概要
人間中心設計(HCD)とは、機器やシステム、サービスなどを設計、デザインする際に、人間にとって使いやすいことに主眼を置くこと。設計者にとっての方法論に留まらず、設計プロセスへの利用者の参加が含まれる。システムの設計者がしばしば陥りがちである「人間がシステムに合わせる」式の使い方で良しとするのではなく、人間の特性の理解と尊重を基礎に、人間にとって使いやすいシステムのあり方を探求、実装していく方法論を指す。
ISO(国際標準化機構)によるインタラクティブシステムの人間中心設計に関する標準規格ISO 9242-210では、「インタラクティブシステムの開発において、利用者とそのニーズ、要求に焦点を当て、人的要因や人間工学、ユーザビリティの知識や技術を適用することで、有用で使いやすいシステムを目指すアプローチ」と定義されている。
同規格では人間中心設計の実践に必要な原則として「実際の利用状況における利用者、利用法、利用環境の明確な理解」「設計・開発プロセス全体への利用者の関与」「利用者中心の評価法による設計と見直し」「反復的な設計プロセス」「ユーザー体験(UX)全体を対象とする」「複数の専門分野の技術と視野を含んだ設計チーム」の6つを提唱している。
日本ではNPO法人の人間中心設計推進機構(HCD-Net)が人間中心設計専門家育成のため、「認定人間中心設計専門家・スペシャリスト」という認定制度を実施している。
(2021.9.15更新)