異常系テスト

概要

異常系テストとは、ソフトウェアなどの動作試験の分類で、想定外の使い方や誤った入力など、仕様や動作の前提条件が満たされない状況下での振る舞いを確かめるもの。

正しい使い方から外れた状況に置かれたときにうまく対処できるかを確かめるテストで、仕様や本来の使用方法から外れた状況、動作の前提としている環境や条件が欠落した状況を作り出し、致命的な事態が起きないか確かめる。

例えば、資金を移動するプログラムの実行中に突然電源が落ちた場合に、出金したが入金されないまま宙ぶらりんの資金が生じてしまうことは避けなければならない。動作復旧時に遡ってすべての処理を取り消し、あるいは途中から再開して正常な状態に戻せるかを確かめる。

一方、仕様や想定される使い方をしたときに正しい結果になるかを確かめるテストは「正常系テスト」という。誤った入力値に対してエラーメッセージを表示して再入力を促すなど、開発時に想定した異常時の処理が機能するかを確かめるものは「準正常系テスト」ということもある。

(2021.12.3更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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