トレーサビリティ【traceability】追跡可能性/トレサビ

トレーサビリティとは?

過程や来歴などが追跡可能である状態のこと。一般の外来語としては、消費財や食品などの生産・流通の過程を履歴として統一的に記録し、消費者などが後から確認できること、および、そのような制度やシステムを意味することが多い。

生産・流通におけるトレーサビリティ

一般的な用語としてのトレーサビリティは、主に食品や消費財などの生産・流通分野で用いられることが多い。例えば、農産物や食品では、原材料の生産地、加工工程、流通経路、販売履歴などを一貫して記録し、消費者や事業者が後から確認できるようにする仕組みを指す。このような制度は食品安全や品質管理の観点から重要視されており、問題が発生した際には対象製品の流通経路を迅速に特定し、回収や原因調査を行うための基盤となる。

システム開発におけるトレーサビリティ

IT分野におけるトレーサビリティは、主にシステム開発やソフトウェア開発の工程管理において用いられる概念である。開発プロジェクトでは要件定義書、設計書、プログラム、テスト仕様書、テスト結果など多くの成果物が作成されるが、これらの間の対応関係や変更履歴を記録し、相互の関連を追跡できる状態を指す。

例えば、要件定義で定められた機能が設計書に反映されているか、設計内容がプログラムとして実装されているか、その機能がテストによって検証されているかといったことを速やかに確認できるようにする仕組みを指す。工程間の整合性を確保し、問題発生時に関連する工程をすぐに特定できるようになる。

このような仕組みは品質保証や変更管理、監査対応などの場面でも重要な役割を持つ。開発途中で仕様変更が行われた場合でも、どの要件がどの設計やプログラムに影響するかを追跡できるため、影響範囲の把握や修正作業の管理が容易になる。ソフトウェア品質管理の国際規格や開発プロセス標準でも、成果物間の関連付けや履歴管理の重要性が指摘されており、要求管理ツールや構成管理システムなどを利用してトレーサビリティを確保する取り組みが広く行われている。

他の辞典等による「トレーサビリティ」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「トレーサビリティ」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平26春 問5】 トレーサビリティに該当する事例として、適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
平24修7 問67】 利害関係者要件の確認において,定義された要件に対して,発生した変更要求の実装までの経過を明らかにできることを表すものはどれか。
平22秋 問65】 利害関係者要件の確認において,定義された要件に対して,発生した変更要求の実装までの経過を明らかにできることを表すものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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